無為の生き方 Ⅱ
世界人類が平和でありますように

4章 自然に帰れ

― 自然は神様、山にセルフビルドでミニログハウスを建てる ―」

6 自然と共に

 一切皆空

 人間は、神の大叡智により、神が働く器としてつくられ神の生命を宿し自由な創造活動を行っているものです。しかし、多くの人間は、肉体がすべてだと勘違いし自らが神であるなど思いもよりません。そこで、禅宗では座って「無念無想」、空の境地を目指しますし、ヨガでも「瞑想」を行います。これは肉体が自分であるという間違った想いやそのとらわれを空っぽにして、本体である神と一つになる訓練です。

 私は、長年、毎日一時間から二時間くらい座って心を白紙にする「統一行」を行ってきました。それは、ご生前五井昌久先生が、口笛と柏手を打たれ統一指導されていた時の録音テープをただ聞くだけです。五井先生がご逝去されて、この統一テープでの統一を毎日行っている人はどのくらいいるかわかりませんが、私はこの「統一行」が合っており未だに行っています。
 
 何事もそうですけど、続けることです。今では、テープを聞くと自然に心が空っぽになり、まったく何もない世界にゆきます。10分くらい座ったつもりでも、時計を見ると1時間が過ぎており、想いがなくなると時間を超える感覚です。

 しかし、忙しい人や継続してできない人は無理して「統一行」をする必要はありません。日々の生活の中での想い方がすべてですから、祈りある生活を送ることです。

 そして、私は誰から教わったわけではなく「一切皆空」という文言の響きが大好きでよく唱え、ごちゃごちゃ迷う想いを看破します。


  一切皆空

  諸行無常

  諸法無我

  涅槃寂静

  自愛円光



 この世は、うつし世、夢の世界、転動夢想、すべては消えてゆく姿、一切皆空

 この世は、常なるものは何もなし、栄枯盛衰、驕れるものは久しからず、諸行無常

 すべての事象、万有、一切無我、すべての苦悩は人間の自我から生ず、諸法無我

 自我を滅し涅槃に至れば、これ寂静、深き静けさ、安らぎの世界、涅槃寂静

 慈愛は宇宙に遍満し円かなる光を放ち全てを癒す、色即是空、空即是色、空即ち、慈愛円光

 美食、美形、大金、称賛、友人、愛しの家族・・・すべては消えてゆく姿、常なるものは何も無し

 常ならざるものを追えども、泡を掴んでいるが如き、すべては空き夢の如き、皆空虚

 我を滅し、常なるのに任せきる、全感謝、全託、無為の道

 自然に帰れ、自然と共に生きる


 自然に任せて生きよ

  「明日食べる米がなくても、生きる時は生きるのです。生命のある限りは、米は必ず与えられます。これが原則です。ですから明日の米のことを思い煩う必要は本当はないのです。」
(生命光輝け 五井昌久著 白光出版)

 この言葉には、心を浄める素晴らしい響きがあります。人間は自分の力で生まれた人は誰一人なく、この体も自分でつくったのではないのに自分の体だと思い込んでいるだけです。

 人間は先のことを思い煩ってもどうしようもないのに不安を抱え込み一人で苦しんでいます。それは「滑稽」としか言いようがありません。

 野の鳥が、明日のことを思い煩っているなどありえません。人間も自然の一部なら、自然に任せて生きれば、野の鳥の如く思い煩って生きることはないはずです。
 
すべては原点に返り、自分の力で生まれたのではないのですから自分を産んだ親様にすべてを委ねるべきです。お金が無くとも食べる物が無くとも「生きる時は生きるのです」「死ぬ時は死ねばいいのです」

 自分という小さな器の枠を超え、この自分を産んだ神と一つになり悠々自適に生きてゆきたいものです。

 マタイ伝6章は、何度読んでも素晴らしい響きを放っています。
 *「山上の垂訓」 マタイ伝6章 より

 だから、わたしはあなたがたに言います。自分のいのちのことで、何を食べようか、何を飲もうかと心配したり、また、からだのことで、何を着ようかと心配したりしてはいけません。いのちは食べ物よりたいせつなもの、からだは着物よりたいせつなものではありませんか。

 空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。けれども、あなたがたの天の父がこれを養っていてくださるのです。あなたがたは、鳥よりも、もっとすぐれたものではありませんか。あなたがたのうちだれが、心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばすことができますか。なぜ着物のことで心配するのですか。野のゆりがどうして育つのか、よくわきまえなさい。働きもせず、紡ぎもしません。

 しかし、わたしはあなたがたに言います。栄華を窮めたソロモンでさえ、このような花の一つほどにも着飾ってはいませんでした。きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこれほどに装ってくださるのだから、ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか。

 信仰の薄い人たち。そういうわけだから、何を食べるか、何を飲むか、何を着るか、などと言って心配するのはやめなさい。こういうものはみな、異邦人が切に求めているものなのです。しかし、あなたがたの天の父は、それがみなあなたがたに必要であることを知っておられます。

 だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。だから、あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。労苦はその日その日に、十分あります。」


 風に吹かれて生きよ

 自然の中に、これまで見たこともない美を見た。言葉では言えない美の世界、キラキラと煌めきあまりにも美し過ぎる!私の作品は、その感動を少しでも皆さまにお伝えすべくつくっています。つくればつくるほどその美しさの精度は上がり際限がありません。壁板の木目に、汚れたシミに、この上ない美を見出し作品に変わります。

 その気持ちを「詩」にしてみました。

  「風に吹かれて生きよ」   
                     作詞   天 空

 風が吹いてくる
 風に逆らうな
 風に吹かれよ

 嵐になっても立ち向かうな
 風に吹かれて飛んでゆけ
 サラサラと風に吹かれて生きよ
 
 力を抜け
 自然とともにあれ
 想いを放ち曇った眼鏡を捨てよ

 汚れた壁のしみが光を放つ
 誰も聞いたことがない
 愛の調べを聴く
 美し過ぎる
 キラキラと光るその輝きを見よ!


 
 「大河」 杉板に着彩 天空作画

世界人類が平和でありますように


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